文楽九月公演 「天変斯止嵐后晴」(てんぺすとあらしのちはれ) @国立劇場
CoRich
文楽を見るのは2回目(1回目は奥州安達原)なので、あまりよく分からなかった。
見た後も、「文楽とはこういうものか」とは思うものの、シェイクスピア劇としての感想はあまり浮かんでこなかった。
座席が一番後ろで、しかも座席の配置が見づらい(前の席と縦が揃っているのと、あまり高低差がないからだろう)ため、あまりよく見えなかったというのもあったかもしれない。
「テンペスト」を見るのが2回目(しかも1回目は
能版)で、あまり他との比較ができないせいもあるかもしれない。
プログラムを見る限りでは、文楽というのは「クドキ」など色々と形式の制限があるようで、その型にうまく当てはめるように翻案したという点では成功したといえるのではないか。
(登場人物が減らされていたり、キャリバン(泥亀丸)がミランダ(美登里)を襲おうとするシーンがあったり、かなり自由な改変が加えられてはいるのだが)
歌舞伎もそうだが、普通の演劇に比べるとゆったりと進行していく気がした。
特にエアリアル(英理彦)が印象に残った。
人形であるがゆえの自由な動きのため、宙を飛んだりして軽々とした様を見せた。
妖精は日本の物語に存在しないため、なんの存在か言及されてはいなかったが、見るほうとしてはそんなに気になることではない。
ファーディナンドとミランダの結婚を寿ぐ場面でも、鳥頭(ペリカンのようなのもいたが、これは伝統的な話ではないからだろうか)の天女たちが舞い踊る場面も幻想的であった。
冒頭の嵐の場面は、人形で演じず、三味線の演奏者が舞台に並んで演奏していた。
鉄琴のようなキラキラした音(よく魔法の効果音に使われる音)がしていたが、あれも琴で出しているのだろうか。
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